得より損に反応する脳 - 感情と勘定の経済学 -
「どうして選んでしまったのか?」という後悔をしないために
今日はこの本をご紹介
感情と勘定の経済学 友野 典男
この帯にもありますが、「なんでこんなの買っちゃったんだろう」は必ず誰でも一度はあるはず。このなぞは「行動経済学」を知ると解けるかもしれません・・・
システム1とシステム2の存在
なぜ「後悔」がうまれるのか?と言うと、人にはシステム1とシステム2というものが存在。そのシステム1 = 直感 、システム2 = 論理的思考と言われていて、「後悔」が起きるのは、システム1が作動中に購入の選択をしているからということ。
システム1は例えばこんな時に作動。
- タイムセール
- 閉店セール
- いまなら5割引き広告
あー、あるある。
そもそも人は「得より損」に反応するようにできている。損をしたと感じた時の失望感は得をしたときの満足感より2~2.5倍の失望感があるとか。食べ放題で「もとをとらなきゃ」という感情もここからきていて、「この金額を払ったんだから損したらもったいない」と思うわけです。
しかし!一呼吸して考えてみると、食べ放題で動けなくなるほど食べたり、飲み放題で泥酔するほど飲むことが本当に損をしなかったことになるのでしょうか?その後お腹が痛くなったり、翌日二日酔いで苦しい思いをすると、「あー、なぜあんなに食べてしまったんだろう」とか「もうお酒は飲まない!!」とか、楽しかったはずのあの時間のことを忘れてしまいますよね。
自分が何かを選択しようとした時、一呼吸おいてお金の損得だけではなくもっと広い視野を持って「その選択」を考えることって必要なんじゃないかなと思います。そして、もし自分の選択に後悔しそうになったとしても、それを選択した時の気持ちを思い出して、「私はこれを買った後、XXXっていうことを楽しみにしてたんだよな」と自分の感情と向かい合うことが大切かと思います。それに、自分が選択したことに後悔しつづける人生より、「選んでよかった!」と思える人生の方が幸せ感は何倍にもなると思います。
行動経済学、他にも心理と行動の関係についていろいろとあるのですが、それはまた別の本でご紹介したいと思います。
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「伝える」をテーマに読書会をします。