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読書日記「ヤッサン」

2017年読書日記

その10 

ヤッサン
原 宏一

 

ヤッさん (双葉文庫)

 

「読書のすすめ」で売られている数少ない小説

以前から何度か書いている「読書のすすめ」という書店。

ここに売っている本は「売れる本」ではなく、

「店主が売りたい本」。

 

なぜこの小説が「読書のすすめ」で売られているのか、

そんなことを考えながら読んだ。

 

ヤッサンとは

哲学を持って生きるグルメなホームレスがヤッサン。

ヤッサンは、築地市場と高級料理店を行き来して生活するホームレス。

料理人が欲しいと思っている市場の情報を伝達することで

報酬を得て暮らしている。

「報酬」と言っても、お金ではない。

そのお店の提供している「食」が報酬だ。

 

グルメなホームレス

この設定に違和感を感じる方も多いのではないかと思った。

私も最初はそうだった。

衛生重視の食の世界に、なぜ?と思うわけで。

でもヤッサンは身なりは綺麗にしているし、

体力を落とさないための独自トレーニングも常にしている。

ホームレスらしくないホームレス。

ヤッサンは「自分の足」で情報を伝達している。

そして自分の哲学を持って生きている。

 

「ホームレス」として生きていくことに

共感を持たれない方もいるかもしれないが、

そこに着目するよりヤッサンの生き方に焦点をあてて読むと

この本の読み方は変わってくるのではないかと思う。

 

今話題の築地市場も登場

ストーリーの中では、今話題となっている築地市場移転の話も登場。

反対派、賛成派が

「ホームレス」をどう見るかで周囲の意見がぶつかる。

この話では、「相手をどうみるか?何で人を判断するか?」

そんなことを考えさせられた。

 

ヤッサンに元気づけられつつお腹がすく本

この本では、いろいろな食材、お店、料理が出てきて

とにかくお腹がすく。

築地場外市場に今すぐにでも行きたくなってしまう。

 

こんな哲学を持っているなら、

ホームレスじゃなくてもいいんじゃないかな?

という気もするが...

良くも悪くも「グルメなホームレス」

というのがこの本の特徴なんだろうなと思う。

 

続編も読みます。